こんばんは。
呑んだお酒を気ままに紹介する“お酒グビグビ”。
今回紹介するお酒はコチラ。
もうねぇ…、今年の頭に存在を知ってからこのお酒に恋焦がれていまして…。
マッチョ。
日本酒好きな人たちの間では、何年か前に初登場して話題をさらったことで有名なお酒。
だってねぇ…。
何度眺めても、こんなにユニークな銘柄の日本酒ってある…⁉︎
一般的な日本酒といえば、こう「筆で書いたような字体で銘柄をあしらったラベル」じゃないですか。
アレはアレで、「日本伝統のお酒」って感じがして格好良いですよね。
それらを保管しているお店の冷蔵庫の中で、突然覆面レスラーが不敵な笑みを浮かべてこっち見てくるんだからそりゃ二度見しますよ。
しかも(日本酒を示唆する)チャンピオンベルト巻いてるしぃ!
尚、このマッチョを手掛ける“牧野酒造”は、創業してから300余年という群馬県きっての蔵元で、代表作の一つである“大盃”は「全国新酒鑑評会」で幾多もの金賞を受賞するという、まさに日本酒界の大御所の一つ。
〜そんな由緒正しい蔵元が突如としてグラマラスになるんですから、驚くなと言うのが土台無理な話です。
この“マッチョ”、ただ奇を衒って酒の世界にリングインしたわけではありません。
ちゃんと由来がありまして、“精米歩合が高い”というのが理由なんだとか。
「…精米歩合とは何ぞや」って?知っててもそう言って。
日本酒の原料となるのは“お米”ですが、それをお酒の原料とする際にお米を磨く工程があります。
で、この“お米を磨きまくって残った分”を表すのが精米歩合で、この割合が低ければ低いほど、「磨きに磨いて残ったわずかな分量のお米から出来る、手間暇掛かって純度の高い日本酒(吟醸酒、大吟醸酒)」となります。
んで。
一般的には
フツーの酒 < 吟醸酒 < 大吟醸酒
という順番で「良い酒」と言われています。
ざっくりだよ、別に私ゃ専門家じゃないから細かいチャチ入れられても困るよ!
尚、これについては“久保田”の吟醸と大吟醸を飲み比べたことがあり、ド素人なりに「大吟醸の方が呑みやすくて万人受けしそうだな」という印象はありました。
それに対して、“マッチョ”は精米歩合だけで測ると、大吟醸酒どころか吟醸酒ですらありません。
※吟醸酒は精米歩合60%以下、大吟醸酒は50%以下。
…しかし。
300余年の伝統と製法を駆使し、吟醸酒ではないのに「この酒はァッ⁉︎」と感じさせる実力を兼ね備える“強さ”としてのマッチョ!
そして、お米にはタンパク質(≒筋肉)が含まれている為、「それを削っていない(損なっていない)」という“原料”としてのマッチョ‼︎
〜というのを表しているという、なんとも江戸っぽい洒落の効いたラベルではありませんか。
※お店の人からお話を伺いました。
尚、上の画像で純米の表記の横に書かれた“?”ですが、これは「どこのお米を原料としているか明かしていない」事に由来するもので、マッチョが覆面を被っている(=正体不明のレスラー)のもその為。
〜もう、そういう「抜かりなくトコトン遊んでる感じ」が最高です、大好き。
さてさて、そんなマッチョの実力、早速確かめましょう。
うっすらと黄色がかった、日本酒特有のあの色。
さてさて、頂きます。
〜んん、美味しい!
口に含んだ瞬間に、辛口に見受けられるようなキリリとした感触を感じますが、それが決して強い(力任せ)という印象はありません。
その後は、その辛口のような味わいが薄れると同時に「日本酒の甘み」がボワンと広がり、それらの甘さと辛さが口内で「無駄がなく流麗なタッグマッチ」を繰り広げ、そのまま相手レスラー(?)を喉までリングアウトさせ、K.Oまで持っていきます。「それが言いたかっただけだろ?」って? それ言っちゃイヤン。
尚、呑み込んだ後の喉越しは辛さがやや上でしょうか。
軽やかにピリッとした余韻が、脳内の歓声に応えるようにサッパリと退場していきます。
〜酔っ払ってるというのもある(ここまで書く頃には、画像のぐい呑みで6杯くらい呑んでいます)でしょうが、こんなに「書いててどんどん楽しくなるお酒」というのは稀有です。
キャラクター、もといマッチョはとっても大事。
端的に述べると、“お値段以上のパフォーマンスを発揮する、正統派のテクで畳み掛けるレスラー…じゃない、お酒”です。
マスクの下に隠した闘志は、シンプルながらも的確な技を用い“誰しも望む王道の勝ちパターン”を創り上げて観衆をも巻き込み、着実に相手のレスラーを追い詰めていきます。
要は「敢えて正体不明のお米としながら、確かな技術で仕上げたお酒は美味しいです」って事です。こっちは既に酔っ払ってんだ、自分のブログの文章くらい楽しく書かせてくれ!
〜まぁ味もさることながら、やっぱりラベルが滅茶苦茶強いんですよね。
“お酒を飲まない友人”に敢えて持って行って見せたら、「正直これは欲しいw」と言っていました。
やはりユーモアと情熱は欠かしちゃいかんのですよ。
今回紹介したマッチョ、記事の中のリンク先でも書かれているように、様々な種類が世に出回っております。
近いうちに数本並べて、“マッチョによる大乱闘(=飲み比べ)”も行いたいものですね。
では、今回はこの辺で。
次回もよろしくお願いします。