こんにちは。
このブログのアイコン(バナー)がバイクだというのに酒の事ばっかり書いているので、たまにはバイク主体の記事をば。
※一応、バイクを知らない人でも読めるような内容を心掛けているつもりですが、今回はかなりバイク要素が強いです。あと、画像ほぼ無いです。
経緯
ついこの前、筆者が乗っている990スーパーデュークを近所のお店で整備してもらった時の事。
面倒臭がってiPad miniで適当に撮ったスーパーデューク。
そのお店が、スーパーデュークを造っているメーカーである「KTM」の正規販売店でして、お店の外にも中にもKTMのバイクがズラーッと並んでいるのですが、その中には試乗車も数台用意されております。
で、整備中に他のスタッフさんとバイクの話をしていたら、「折角だから乗ってみなよ!」と言って頂き(珍しく)試乗をしたのが事の始まり。
私個人としては、バイクを買う時は
1.
カタログやウェブサイトの性能諸元表を見れば「バイクのキャラクター(乗りやすさとか)」が多少は推測出来るので、試乗をあまり必要だと思っていない。
勿論、それで買ったバイクがイメージと違っていてもお店に文句を言ってはいけません。そういう買い方をした人間が悪い。
2.
そもそも見た目で選ぶ事が多い。
3.
試乗した際に、もし万一転んだら後が怖い。←これが一番の要因。
〜という事で、試乗をした事が殆どないのです。
…ですが。
今回提案されたバイクは前々から興味がある車種でして、それを「乗ってごらんよ」と言って頂いたものですから、それならばと乗った次第(コケていませんよ)。
その車種はこちら。
250EXC-F Sixdays(前後17インチホイール仕様、2022年モデル)。
これ以降、このバイクの画像はもう1枚しか出ません。あまりにも興奮して撮るのも疎かになるという。
以下、「いやぁ、バイクはよく判んねぇっす…」という人向けの軽ーい紹介。
バイクに関心がない人向けの解説
多分誰でも名前くらいは聞いた事はあるでしょう、
〜などなど「悪路に強い車」というのがありますが、バイクでも同様に悪路向けの車種というのがあります。
今回の250EXC-Fは「(乗り手の技量に左右されますが)悪路にメチャクチャ強いバイク」で、正にパジェロと同類…かと言われると実は違ったり。
パジェロやランドクルーザーは「ガッシリした車体にグイグイと力の出るエンジンを載せて、悪路をものともせず人や荷物を運べる強靭な車」であるのに対して、250EXC-Fは「とにかく軽い車体に元気良く回るエンジンを載せ、悪路をいかに素早く駆け抜けられるか」を重視して造られたバイク。
車で言うならコレが近い…かな。
その250EXC-Fに
・専用のカラーリング
・各所に高級パーツを装着
〜という変更を行ったのが250EXC-F Sixdaysで、どれぐらい速いかというと、腕利きの人が乗ればほぼそのまま悪路のレースに出場してトップ争いが出来るレベル。
要は「色々と度が過ぎているぶっ飛んだバイク」と捉えて頂ければ間違いないです。
ちなみに「Sixdays」というのは“International Six Days Enduro”という、そのまんま「六日間掛けて競い合うかなりハードな国際大会」で、レースをメディアで取り上げない日本では知名度が低いものの、海外ではファンも非常に多く規模もデカい由緒正しいレースです。
筆者はレースには疎いですが、なんでも「1913年から開催されている」という歴史のあるレースのようで。
北米や欧州はバイクや車のレースを重んじていますからねぇ、NASCARやマン島TT、MotoGPにル・マン24時間耐久レースなどなど。
そんな、「猛者がひしめく大規模な大会でも遜色無いぜ」と言わんばかりのテコ入れを施しているので250EXC-F ”Sixdays“ というワケですね。
その「悪路でメチャクチャ速いバイクに、どちらかというと悪路ではなく一般的な道に適したホイールとタイヤを取り付けました」という、一見チグハグそうな改造を施したのが、今回試乗した17インチホイールの250EXC-F Sixdaysとなります。
「何でそんなチグハグな改造をすんの?」とお思いでしょうが、あまりに長いので割愛。
んまぁ、すごく極端に要約すると「悪路用のバイクといっても別にしょっちゅう悪路は行かないから、一般道向けのホイールに交換した方が色々と都合が良いから」。
試乗
ロゴだけ撮っていました。何故か。
ちなみに“KTM 2021 OFFICIAL BIKE”と書かれているけれども、このバイクは2022年モデル。
ほら、最新の車だって「その年に設計・開発・製造しました」ってワケじゃないのと一緒。
どうせ画像が無いのでサクッと結論を述べると、痛快の一言に尽きます。
250EXC-Fという名前の通り“排気量250cc”で、バイクとしてはそんなに大きい(≒力強い)部類ではないのですが、そもそもが悪路のレースで勝ち上がるバイクというだけあって、
・250ccにしてはやたらと元気の良いエンジン
・250ccのバイクとは思えない軽さ
〜の2要素がヒジョーに強く、信号アリの交差点が多い都市部では、この2つから成る「加減速の反応の早さ」と「右左折や車線変更時のハンドルの軽さ」が楽しいったらありゃしない。
大型バイクの「力任せに突き進むような感覚」というのも魅力ではありますが、250EXC-Fはソレとは違うもので、「舞う」とでも言いましょうか、一つ一つの動作がすこぶる軽快でヒラヒラと走れてしまいます。
挿絵。文字ばっかりだと嫌でしょ。
(バイク好きの人の為に)これまでに乗ってきた、もしくは長時間乗った事のあるバイクを列挙すると、
・エイプ100(借り物)
・XL883R(借り物)
・200デューク(借り物)
・GB250クラブマン
・749R
・デイトナ675
・1290スーパーデュークR
・SRX-6
・R nineT Racer
・GSR250(借り物)
・GSX-R600
・990スーパーデューク
・スクランブラーカフェレーサー
〜と、自分で述べるのもアレですが色々と乗ってきたつもり。
見る人が見ればわかりますが、舗装路向けのバイクばっかりですけどね!
ですが、今回の250EXC-Fは今まで乗ってきたどのバイクとも明らかに違う不思議な挙動。
「悪路向けのレース用バイク」というのが一番の理由でしょうけど。
モチロン、そんな軽快なバイクにも弱点はありまして。
1.
座面があまりにも高い。
我が日本を代表するホンダの悪路用バイク、「CRF250L<s>」の座面の高さが880mm(コレもバイクとしては中々高いです)なのに対して、250EXC-Fは怒涛の960mm。
身長163cmの筆者では、跨るともはや足が着きません。
ただ、「軽くて重心が高いからこそヒラヒラとした走りを楽しめる」のであって、そもそも悪路用のバイクは座面が高いのが当たり前なので、一概に弱点とは言いにくいところ。元はと言えば背の低い自分が悪い。
2.
ビリビリとした振動が伝わる。
軽さゆえの宿命でしょう、エンジンの振動がハンドルから伝わり、手がちょいと痺れます。
〜ですが、これだって「軽さ=速さ」というレース用バイクならではの特徴の表れ。そんなのは甘受しろと。
3.
荷物は全く積めない。
〜レース用だ、荷物なんて積むな。背負いなさい。
4.
メンテナンスはマメに行う必要アリ。
たまーに勘違いしている人が居ますが、「レースで実証された耐久性!」と謳っているバイクや部品というのは、基本的に一般のライダーが勝手に思い込んでいるほどの耐久性は無いです。
というのも、(レースの種類にもよりますが)レースの世界では
・交換出来る部品はそんなに再利用しない(=使い捨て)。
・レースが終わる度に、出来るところはちゃんと分解して整備する。
〜というのが基本なので、「乗り方、維持の仕方も千差万別な一般向けのバイク」と比べると耐久性は劣ります。
そんな世界に向けて造られた250EXC-Fなので、他の公道向け250ccバイクから乗り換えて「耐久性が悪い」などとほざk文句を言うのはお門違い。
5.
驚きの価格。
大体130万円から。
バイクに求めるモノは人によって異なりますが、大体の人はこの金額を見てドン引きします。
だって大型バイクが容易く買えますからねぇ…。
ただ、紛れもないレースマシンを公道で、しかも130万円〜で乗れると考えると、正直破格。
たった数分の試乗ですら「これ(試乗車)をそのまま売ってくれ…」と感じさせるほどでしたもの。
帰りに団扇を貰いました。
いちKTMファンとして、ブランドロゴとキャッチコピーを簡潔に配したこのデザインはアツい!
〜と、どうしてもレース用故の特殊な事情がいくつも絡んでくるので、おいそれと手が出せるようなバイクではないのは事実。
〜ですが、それを差し引いても「近所を一回りしただけでニヤニヤする驚異的なパフォーマンス」はとても魅力的。
私的な見解ですが、「(重さやパワーなどの理由で)持て余してしまう大型バイクよりも、250EXC-Fの方がよほどクレイジーで楽しいんじゃないか」とさえ思えるほど。
何気ない日常に強烈なスパイスを加えたい方は、一度試乗してみては如何でしょうか。
では、今回はこの辺で。
次回もよろしくお願いします。