突貫試乗 – BMW F900XR

バイク

以前、BMWのF900Rというバイクを試乗した記事を書いた時に「兄弟車も乗ったからそのうち書く」と述べましたが、今回はその兄弟車のお話。

 

 

 

F900XR スタンダード

 

とりあえず、バイクに興味のない人でも「ふーん」と言ってくれそうな程すごーく乱暴に説明すると、F900Rを基にして

・カウル(空気抵抗を整えたりデザインに変化を与えるカバー)を装着
・フロントフォーク(前輪を支える、中にバネや油の入ったパイプ)を長いものに変更し、路面から伝わる衝撃の吸収力をアップ
・ハンドルの形を変えて、ゆったりした姿勢で乗れるように調整

〜といったところ。

 

 

 

ちなみに名前の後ろにつく“スタンダード”は車両のランクを表し、同じF900XRというバイクでも

ベース(受注生産でありながら最も簡素な造りという、まず見かけないレアもの)
スタンダード(文字通り標準。ベースと比べていくつか装備が備わったモデル)
プレミアムライン(装備マシマシ)

〜という3つのランクに分かれています。

尚、この分け方はBMW独自のもので、更に付け加えると車種によって“プレミアムラインしかない”とか“プレミアムスタンダードというモデルがある”、“ハイラインというランク一択”だとか、非常に複雑怪奇な事になっていますが、まぁここは今回は深く触れないでおきましょう。

 

 

 

細かい事はさておき、乗った感想をば。

 

 

 

…んまぁ、F900Rとそんなに変わらん。

 

先述の通り、ハンドルなどが変わっている影響で姿勢がゆったりとしている点を除いて、基本的に兄弟車なのでそんなに大差はありません。
プロのライダー(ライター)なら「サスペンションのストローク量に余裕が生まれたことにより、日常的な速度域における乗り心地云々」とか書けるんでしょうけど、私ゃ所詮“バイクが好き”ってだけで10年くらいダラダラ乗ってた身なんで。ええ。

 

よって、結構デカい排気音を出しながら元気良く動くエンジン、全体的に少しガチッとした感じ(≒筆者のような素人レベルなら何ら問題ないタフな感じ)の車体などもそのまま。

 

 

 

ただ、(F900R含め)乗って気になった点がいくつかあったので、折角ですからそれも書いときましょう。

※あくまで“乗ってる人間がバイクに合わせろ”という偏った思考を持った奴の視点ですので、参考にならない場合があります

 

 

 

1.スクリーン(F900XRのみ)

 

筆者の姿勢なのか、筆者の体型なのか…。

スクリーン(ライトの上にある透明な板。車のフロントウィンドウみたいなもの)がくっついていて、コレが風や飛び石などからライダーを守ってくれるのですが、このスクリーンが掻き分けた風がヘルメットに直撃してかなり大きい風切り音が発生します。

どれくらい音が大きいかって?
あまりにうるさいから無理やり突っ伏してでも風が当たらないようにしたくなるレベル。
ちなみにハンドルの形状の都合で、突っ伏そうとすると変な姿勢になります。

 

まぁ、そもそもBMWってドイツのメーカーですから、「日本人の体格に合わせちゃいねぇよ」と言われればそれも当然の話ですが。
自分で言うのもなんだけど、私ゃそういうところは物分かりが良いよ。

 

 

2.ウインカー(F900R/XR双方)

 

バイクのウインカーは「対応するスイッチ(レバー)を手動で押すと消える」という仕組みになっていて、車のように「ある程度ハンドルを回すと自動で消える」というような構造にはなっていません。
たまに“ウインカーが点いているのに曲がろうとしないバイク”を見かけるのはコレが理由。

ですが、中には車のように「ある程度ハンドルを回す(車体を傾ける?)と消える」というシステムを採用したバイクも多少存在します。

 

だって、今までポチポチ押さないと消えなかったウインカーが勝手に消えるんですよ?
コレすごく便利じゃん!

 

 

 

 

〜はっきり申すと要らん。

 

 

 

自動で消えてくれるウインカーなんて聞くとすごく使い勝手が良さそうですが、実際は消える判定がシビアで、“曲がり始めた瞬間に消える”だとか、下手すると“曲がってもいないのに消える(信号待ちとか)”という事がちょくちょく発生します。

個人的には一連の動作を確実に終えてからウインカーを消したいタチなので、正直曲がり始めた瞬間に消えたりすると結構気になるんですよねぇ…。
…いや、筆者の乗り方がBMWのセンサーと相性悪いんでしょう、きっと。

 

気になって調べたところ、BMWの場合は
現在の速度
ウインカーを点けてから走った距離
〜を検知してウインカーを自動で消しているとか。

 

「やっべ、消し忘れちった…」とかなら可愛げはありますが、こういう機能が実装されたということは「何故バイクのウインカーは自動で消えないのだ、こんなのはおかしい」と逆ギレした人が一定数居るということでしょうか。
「そんな操作もままならず、挙句キレるのなら最初からバイクになんか乗らなきゃ良いのに」とか思ってしまいますが、まぁ置いときましょう。

 

〜とか思っていたら、なんと2023年のモデルでは「ウインカーが自動で消えるシステムをオフに出来る」とのこと(試乗したのは2022年モデル)。
…ぶっちゃけ、「この機能いらん」って意見結構多かったでしょ。

 

 

3.座席に妙なカドがある(F900R/XR双方、スタンダードのみ)

 

バイクというのは車のように気が利くものではなく、「運転手の体格に合わせて座席の位置を調節出来る」なんてことはまずありません。
稀にそういうのもありますけどね。

バイクに跨った時に姿勢がしっくりこないと、座席を薄い(または厚い)ものに変えたりハンドルを取り替えたりというカスタムが必要になってきます。

 

で、BMW=ヨーロッパの製品なので、日本人の体格には少々デカいバイクが多いわけですが、そこで出てくるのが“スタンダード”というランク。

スタンダードは他のランクと比べて着座位置が少し低くなるように造られていて、我々日本人でも安心して跨がれるようになっているのです。

なんと親切な設計になっているのか!

 

 

 

〜そのせいで座席が妙な形状になっていて痛いんですよね…。

 

 

 

元々の座席があって、それの中身を抜き取ることで薄く(低く)しているのですが、その影響で座席の端に妙なカドが立った部分があって、筆者の体型だとこのカドが丁度股関節に当たってゴリゴリします。
何度立ち乗りして尻を浮かせたことか…。

ついでに、「座席を低くすれば必ずしも乗りやすくなるとは限らない」ので、バイクを買うとなった場合には必ず自分自身で跨って確認するようにしましょう。

 

 

  

〜ともあれ、絶妙なパワーと大きさでバイク本来の楽しさをしっかり味わえるF900RとF900XR。

興味があれば、ご近所のディーラーで試乗してみてはいかがでしょうか。